価格リスクマネジメントは、固定費削減・変動費削減など、経営戦略的要素の強い解決策です。

価格リスクとは?

価格リスクの小さい(価格変動性の低い)環境下での経営課題

現在ほど市場の変動性が高くなく、そこまで価格リスクを考慮しなくても経営が成り立っていた環境下での経営の命題は、つきつめると「固定費をいかに回収するか」という一点だけでした。 以下は、その命題の詳細です。 固定費をいかに小さくするか? 家賃等の経費削減や給料減額・人員削減といった人件費の削減など 変動費をいかに抑えるか? 業務の効率化や部品点数の削減、安い原材料への代替や口銭の値下げ交渉など 売上をいかに増やすか? 製品競争力の改善、営業力の強化、マーケティングの見直し、値上げ交渉、機会損失の極小化など  以上の3点に加え、「在庫をいかに少なくするか?」というキャッシュフローの観点を含めた4点が、経営における命題でした。

価格リスクの大きい(価格リスクが顕在化した)環境下での経営課題

価格リスクマネジメントとは?

  • 価格リスクマネジメントのイメージ(例)
  • 一般的な価格リスクへの対応と価格リスクマネジメントの違い

なぜ、価格リスクマネジメントが必要なのか?

  • 価格リスクを吸収できるバッファがほとんどないから
    • 価格リスクを吸収できるバッファ。それは損益であれば毎期の当期利益であり、バランスシートであれば自己資本や純資産といった項目です。しかしそれらバッファを創出することは以下の理由により簡単ではありません。また既に実施済みであり、これ以上の効果を期待することが難しいというケースも少なくありません。
      • バッファをいかに創出するか?(いかに利益を上げるか?)という命題に対する万能策は「売上を増やす」ことに他ならないが、競争の激しい現在の環境で売上を増やす有効な施策を打つことは容易ではない。
      • 経費削減や人員削減といった固定費の削減は、もはや限界の域に達しており、これ以上の効果を見込むのは現実的とはいえない。
      • 変動費に目を向けた場合、部品点数の削減や安い原材料への代替といった設計・計画に大幅な変更を伴う作業は、実現が容易ではない。またサプライヤーや仕入先との値下げ交渉及び購買方法の変更(集中購買)等、口銭/手数料の削減を目的とした調達手法の改善等は、効果が表れるまでに時間がかかるのも事実。
  • 価格リスクを解決するには価格リスク自体を管理するしかないから
    • 価格リスクを解決するにあたり、絶対に間違っていただきたくないのはその解決方法です。価格リスクによって生じるリスクを従来までの「固定費の回収(利益を上げるための施策)」のための経営施策で解決しようとする。例えば原材料価格が急騰したからといって、部品点数の削減をしたり、ERP等の生産管理システムを導入したり、ましてや人件費の削減(給料減額、人員削減)を実行したりと、本来価格リスクの解決とは違う目的で実施する施策を価格リスクの解決に用いていただきたくないということです。部品点数の削減や人件費の削減は、本来は「固定費の回収」(いかに利益をあげるか?)という命題のために用いられる施策であり、価格リスクを解決するための手段ではありません。価格リスクを価格リスクマネジメントにより根本から管理しない限り、それら施策を幾ら推し進めても価格リスクの根絶にはつながらないのです。今回の原材料価格の急騰にはそれで対応できたとしても、次回の急騰に耐えられるとは限りません。価格リスクを解決するには価格リスク自体をマネジメントするしか方法はないのです。

価格リスクマネジメントの最終的なゴール

弊社は利益の安定化(最大化)が、価格リスクマネジメントの最終的なゴールだと考えております。例えば、利益の安定化を考慮しない仕入価格の固定化は、全社的な視点に立つと、それ自体単独では意味を持たないものであると同時に、相場次第では損失をもたらす非常に危うい施策であるとも考えられます。現状、各企業における仕入価格のヘッジをはじめとする、価格リスクマネジメントの議論が進展しない一番の理由は、「売上−費用=利益」の“利益”を目標指標として設定していないことに起因するものと考えます。

価格リスクマネジメントの決定要因

価格リスクマネジメントは極めて経営戦略的要素の強いマネジメントで、以下の要素によってとるべきマネジメン手法は変わってきます。当然ながら企業毎にマッチする価格リスクマネジメント手法は異なっており、企業の数だけ価格リスクマネジメントの数があるといっても過言ではありません。価格リスクマネジメントが今まで広がらなかった背景には、下記要因を考慮した、その企業にとって適切なマネジメント手法(解決策)を提供できるアドバイザーがいなかったことが、原因の一つであると考えております。

価格リスクマネジメントの手法を決定する代表的な要因

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